のどけしや来世は鯨になると決め 有松洋子
句集『緑光』
” のどけし ”は春の季語。
” 鯨 ”は冬の季語。
とはいえ、長閑なのは今であり、鯨は来世のわが身の話。
「季重なりはだめ!」
とか
「季またがりはだめ!」
とか聞くけれど、この俳句に不協和音はちっともない。
大海をゆったり泳ぐ鯨とイメージはむしろ合うと思う。
そして、” 来世 ” という言葉に少し悲しさ、儚さが見てとれる。
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