俳句

ラベル 池田澄子 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 池田澄子 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

相談の結果今日から夏蒲団

 相談の結果今日から夏蒲団   池田澄子


夏蒲団という季語、生活感のあるシーンとして伝わる俳句。

「まだまだ、明け方は寒いよ~」

「いつも、暑いのか布団を剥がして寝ているよ!」

とか、世帯ごとの事情があろう。

ちなみに、我が家の敷布はひんやり加工の夏蒲団に入れ替えたが、春炬燵はそのままある。

”春炬燵”と”夏蒲団”と「季重り」のわが世帯。

すでに立夏はとうに過ぎ、春炬燵は夏炬燵になり季語でさえないかも知れぬ。



ピーマン切って中を明るくしてあげた

 ピーマン切って中を明るくしてあげた   池田澄子

                  句集『空の庭』

切られる前のピーマンの中は暗いのでしょうか?

うす緑色に皮が光ってぼんやり明るいのでしょうか?

作者はピーマンを切っている側ですが、

読み手はピーマンの中にいて明るくしてもらうのを待っています。

じゃんけんで負けて蛍に生まれたの

 じゃんけんで負けて蛍に生まれたの   池田澄子

                 句集『空の庭』

リインカネーション(輪廻転生)の句。

この世に生まれる前、みんなでじゃんけんする。

じゃんけんで勝った者から、人間が良いだの、

鳥はよいだの、ライオンがよいだの・・・決まってく

私は負けてしまったので、残っていたのは蛍に生まれることでした。

春の風苦しむ鶏を抱きにゆく

 春の風苦しむ 鶏 ( とり ) を抱きにゆく   宇多喜代子                 『りらの木』 むかし、宇多喜代子さんがNHK俳句の選者をしてらした時、兼題に投稿された多くの類句類想に対して、 「みな、私と同じような思いをしているのを見ると嬉しくなる」 と...