俳句

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のどけしや来世は鯨になると決め

 のどけしや来世は鯨になると決め   有松洋子

                 句集『緑光』

” のどけし ”は春の季語。

” 鯨 ”は冬の季語。

とはいえ、長閑なのは今であり、鯨は来世のわが身の話。

「季重なりはだめ!」

とか

「季またがりはだめ!」

とか聞くけれど、この俳句に不協和音はちっともない。

大海をゆったり泳ぐ鯨とイメージはむしろ合うと思う。

そして、” 来世 ” という言葉に少し悲しさ、儚さが見てとれる。

春の風苦しむ鶏を抱きにゆく

 春の風苦しむ 鶏 ( とり ) を抱きにゆく   宇多喜代子                 『りらの木』 むかし、宇多喜代子さんがNHK俳句の選者をしてらした時、兼題に投稿された多くの類句類想に対して、 「みな、私と同じような思いをしているのを見ると嬉しくなる」 と...